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2022年猛暑予報で一人暮らし高齢親の熱中症対策どうする?【父親が倒れた日のこと】

投稿日:2022年6月29日 更新日:

2022年の夏は猛暑予想だそうです。

異例の6月中の梅雨明けなど、水不足も心配されています。

早い梅雨明けで、猛暑だった夏は、2018年が記憶に新しいです。

2018年の夏、一人暮らしの私の父親は熱中症で倒れ、病院に運ばれました。

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離れて暮らす一人暮らしの父親と連絡がとれなくなったとき

私の両親は、私が高校を卒業する頃に離婚しており、父は一人暮らしをしていました。

父方の祖母が亡くなり、私と姉で葬儀に出席して15年ぶりに父親と再会しました。

それから、たまには食事でもと、年に1・2回会うようになり、連絡先も教え合いました。

もっとも、姉は母と一緒に住んでいるので、電話がかかってくるのは私の方でした。

定年を過ぎても仕事を続けていた父でしたが、体力の衰えを感じ、退職して年金暮らしとなりました。

それからは、一人で家にいるので時間を持て余していたようでした。

「ウォーキングで3時間ぐらい歩いた」とか、

「俳句を作った」などとたわいもない話をしたかったようで、よく電話をかけてきました。

父は家族と別れてから自分の実家に近いマンションで暮らしていましたが、公団住宅が当たり、また引っ越していました。

エアコンのない部屋で、初めて訪れた時にエアコンがなくて平気なのかと聞いても

「工事が面倒くさいし、ここは高層だから窓を開けていれば涼しい風が入ってくるんだ」

と言っていました。

「扇風機があるから平気だ」とも。

しかし、扇風機の風はあまり好きではないようで、使ってないようでした。

片付けの手伝いに行った時も

「扇風機ないの?」

と聞いたら、ベランダに放置されていた扇風機に積もったホコリをほうきで取り除いて部屋に入れていました。

日中は物干しざおに毛布を下げて日よけにし、工夫して暑さをしのいでいたようなので、その時はそうなのかと納得したのですが、夏の暑さは毎年ひどくなりました。

「やっぱりエアコンつけたら?」

「そうだなあ今年はつけようかなあ‥」

なんて会話もしていながら、そのままになってしまっていました。

認知症が進んでいた父親

その後、父は認知症ではないかと思われる言動や行動が多くなってきました。

最近のエアコンは、リモコンも細かい設定が複雑で、エアコン設置しても、操作方法がわかるかどうかも謎でした。

地域包括センターに相談したものの、父は家族以外の人が家に訪ねてくるのを酷くいやがり、玄関先で追い返してしまいます。

買い物はしていたようですが、買ったものを忘れて食べていなかったりすることも増えました。

買物に使っていた自転車も、なくなっていて、盗まれたと言っていました。

古い自転車だったので、盗まれるとも思えないのですが‥

暑くなり、炎天下のなか買い物に行くのも大変だろうと、姉が宅配で毎日注文して食事やドリンクなどを届けてもらうことにしました。

父は、姉が荷物が届いたか確認の電話をかけると

「あっ届きましたよ!ありがとうございます。」

と丁寧にお礼を言っていましたが、

「荷物?来たかなあ~‥」

と言うこともあり、食事をきちんと食べていたかどうかはよくわかりませんでした。

そうして、姉が荷物を送り続けていたある日、私の方へ連絡がありました。

「宅配の人が、荷物を受け取ってもらえないって電話してきて、私もかけたが電話に出ないんだよ」

姉は母と暮らしていますが、その母も、数年前から認知症を発症しており、デイケアのお世話になっていました。

翌日は、母の介護の合間に久しぶりに出かける予定でしたが、心配して出かけるどころでないようでした。

私も父に電話してみたところ、やはり電話に出ません。

「最近は暑くて、昼は寝ていて夜に行動してるときもあるようだから寝てるかもしれないね」

「それか、自転車のところに行ってるか」

父は自転車が盗まれたと言って、いつの間にか新しい自転車を購入していました。

しかし、盗まれるのが心配で、年中自転車置き場で自転車を見張るようになっていました。

父の部屋の様子を見てもらえないかと、団地の管理事務所に電話をしてみましたが、そんな時に限って管理事務所がお休みでした。

「夜にもう一度電話したら出るかもしれない」

と、夜になって電話をしてみましたが、やはり出ません。

だんだんと不安になりました。

「倒れてるか、どこかへ出かけて帰り方がわからなくなったか、最悪まずいことになっているかも‥」

すでに夜の10時をすぎていて、一人で様子を見に出かけるには距離もあり、気が引ける時間帯でした。

警察に電話をしてみようと、父の住んでいる地域の派出所へ電話をしてみたところ

「来られますか?」と聞かれました。

「今からだと終電もないし、早朝まで待って出かけようとも思うのですが‥」

と言ったら

「一刻を争うこともあるかもしれないので、様子を見るなら早い方が良いですよ」

と言われ、タクシーを使って深夜出かけることにしました。

姉は翌朝早くに出る予定でしたが、気になってしょっちゅうLINEを入れてきていました。

派出所のお巡りさんも

「様子を見に行くと決めたら、また連絡ください。一緒に行きます」

と、言ってくれたので、少し安心して行けました。

父のことでは、お巡りさんに何度もお世話になっていました。

父の団地近くまで来たら、派出所に再度連絡をして、団地の前で待っていてくださいと言われていて、部屋に行かず待っていました。

「部屋に先に入らないでください。」

と注意されていたのです。

万が一、事件があって、現場の発見者になってしまうと、身内である私が容疑者となってしまう恐れがあるため、先に警官が入るとのことでした。

そのうち、お巡りさんが2人自転車でやってきて、一緒に父の部屋まで行きました。

玄関のドアの前で

「鍵を渡してください」

と言われ、お巡りさん1人が無線でどこかと連絡をとりながら部屋に入って行きました。

最悪の事態も覚悟してと言われ、もう一人のお巡りさんが

「入って大丈夫と言われるまで部屋の中は見ないでください」

と言うので、かなりビビッていました。

部屋の奥へ進むお巡りさんが

「廊下で倒れています。意識あります」

と言っているのが聞こえ、ようやく部屋へ入れました。

手前の部屋のふすまがはずれて横むきに倒れており、部屋の中が乱れているようでした。

襖の奥で、倒れている父が、こちらに顔を向けて笑っていました。

動けなくなってどのぐらい経っていたのかわかりませんが、倒れて起きられずに、寝たままでいたようです。

熱中症でした。

電話が鳴っていても出られなかったのかもしれません。

お巡りさんが声をかけると、かすかに「大丈夫です」と発声もでき、救急車を呼んでもらえました。

「お巡りさんと一緒に部屋へ行ってる」

「倒れてたけど無事だった。これから救急車乗る」

と、姉へLINEで伝えたところ、姉も少し安心したようでした。

始めに派出所に相談して、ムリしてもタクシーで行ってよかったです。

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一人暮らしの高齢親が熱中症にならないよう予防でしておきたいこと

父はそれまで公共の地域介護も全拒否していました。

身内にだけ頼りたかったようですが、入院になってからは

「一人暮らしは困難」とみなされ、病院から施設へ入所を勧められました。

短期間で比較的良心的な有料のサービス付き高齢者住宅が運よく見つかりました。

入院中も大騒ぎして病院のフロアをグルグル歩き回ったりと、病院も困って看護士さんが電話をしてきたこともありました。

入院が延長したと言って、1週間ほどの入院のあと、姉が決った施設に連れて行きました。

施設に入ったばかりのころは、環境の変化に落ち着かず、スタッフの方に頼んでよく電話をかけてきていました。

今はすっかり落ち着いて暮らしています。

認知症の人は、自分の記憶を意識的にぼやかしてしまうことがあるそうで、会いに行くと

「ここも長いけど、ここに引っ越して良かったよ。」

と言うこともあり、自分が元からいた部屋にいると勘違いしたまま暮らしているようでした。

世の中には父のように、自分では一人暮らし可能だとかたくなに信じている一人暮らし高齢者の方も多いのでしょう。

仮にエアコンをつけても、エアコンをつけることを忘れてしまう場合もあります。

(昔からの習慣がないと覚えていられない)

実際父は、熱中症で倒れて発見されたとき、扇風機もつけず冬の布団を重ねて寝ていました。

離れて一人暮らししている高齢の親御さんが居る場合、エアコンをつけることも大事ではありますが

●高齢者の家族の近所に見守りしてくれる人がいるか
・地域包括支援センター
・地域見守り
・ご近所づきあいのある人●高齢者の家族の近所の見守りできる人と連絡は取れるか●高齢者のご家族の近所の派出所などをチェックしているか

などがポイントかと思います。

離れて住んでいた父が倒れた際、早くに発見できたのは、姉が父の食事を心配して毎日宅配を手配していたからでした。

本人が「大丈夫だ」と言っても

食べるのを忘れて冷蔵庫やテーブルに食品が溜まってしまっても

ムダになるかもしれないと思いつつ宅配をしていたことが、結果的に最悪の事態をまぬがれました。

新聞をとるなども効果があると思います。

新聞が溜まっていることで、何かあるのではという知らせになります。

最近では、移動スーパーなども見守り役をしてくれている場合がありますので、移動スーパーが近くに来る地域の方は、そんなサービスもおすすめです。

一人暮らしの高齢者は、思いのほか頑固で、警戒心も強い場合があるのではと思います。

うちの父のように家族以外受け入れず、公共福祉を嫌がる傾向もあります。

うちの父は、幸か不幸か、倒れたことで施設に入り、毎日の食事や健康管理をしてもらえるようになったことが精神安定につながったようです。

倒れる1年ほど前から、父は自分が認知症になってきた自覚も少しはあったようです。

「認知症」という言葉は使いませんが、

「最近物忘れがひどくてダメなんだよ」とか

食事に行って、そのあと喫茶店でお茶を飲んでいるときに

「ここはどこだ?」と聞いてきたり

約束をした待ち合わせまで向かう途中、何故自分が出かけているのかを忘れて家に帰ってしまったり‥

久しぶりに会う人の前ではシャキッとして見せようとするので、遠く離れている家族では気づきにくいものです。

例えば水分補給についても、電話で水分摂ってねと言うだけより、話しながら

「忘れないように今水飲んでおいたら」

と、お喋りしながら水を飲んでもらうとか、もう一歩踏み込んでみるのも良いと思います。

猛暑予報があると、父の倒れた2018年を思い出します。

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