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【次期杉並区長】岸本さとこさん就任前のうごき~ミュニシパリズムと参院選

投稿日:2022年7月3日 更新日:

2022年の6月19日投票・20日開票の杉並区長選で、わずか187票の僅差で当選した岸本さとこさん。

当選翌日は東京新聞の朝刊1面トップも飾り、実力派女性区長の誕生と、最近まれに見る良いニュースで心が軽くなったようでした。

任期の始まる7月11日までは、就任準備に集中するため、取材やインタビュー・講演など辞退するとのことでしたが‥。

7月になり、活動報告がありましたので、早速おいかけてみました。

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7/2岸本さとこさん、法政大学の公開講座でミュニシパリズムを語る

7月2日の朝、ベッドで横になりながら、ボンヤリTwitterの情報をながめていたところ、ふと目に飛び込んできた情報が。

法政大学オンライン公開講座
#ミュニシパリズム の現在
7月2日(土)15:00〜16:40

ミュニシパリズムとは、岸本さとこさんが区長選での公約で基本理念になっていましたね。

その岸本さとこさんが、なんと法政大学でオンライン公開講座をするのだとか!?

就任準備に集中するはずだった岸本さん、区長に立候補する前に引き受けてしまった講座だとかで、思いがけなく公での登場となりました。

6/30に発表されていた情報でしたが、当日に知り、すぐ登録して参加することにしました。

「ミュニシパリズム」って、杉並区の区長選で岸本さとこさんが立候補して、初めて聞いた言葉です。

舌もかみそうで覚えにくいですが、平たく言えば、公(自治体)とコミュニティーの協力して自治体を作り上げていくといったところでしょうか。

平たく言えば簡単に聞こえますが、実践していくには、なみなみならぬ時間や手間ひま人が必要なようです‥

しかして講座内容は?

【公開講座】世界の動きから社会的連帯経済(SSE)を学ぶ

公開講座はアーカイブが残っています。
岸本さんの登壇は2コマめからで、01:54:24ぐらいからとなります。



公開講座では、ミュニパシリズムの観点から『脱民営化・再公営化』についての話をされています。

コストパフォーマンスを狙って公共事業を民営化にしたものの、逆に民間委託によってコスパが上がってしまり、住民の力で取り戻そうという話です。

行政のことを行政の上に居る人らに任したままでなく、自治体の市民と実施していく現在進行形の取組みとのことです。

「政治の話はしないように‥」

と、変な訓練に慣れてしまった日本人にとっては、かなり難しい気もします。

私が一番関心を持ったのは、

コモンズ(公共財)の拡大と持続可能性・気候危機についての項目

●持続可能な農業を支援し、学校給食や公的施設の食堂で調達する、安定した需要を作る。

●地域の共同組合を支援する。共同組合の提供するサービスを公共調達の力を活用して購入する。

●地元産の再生可能エネルギー施設への投資(生産)と購入

●公社を作る(低所得者層への電力供給可能)

●公共サービスの脱民営化

●民間委託やアウトソーシングされたサービスをインソーシングして自治体のサービス提供能力を高める

●大手IT企業に頼らない独自のデジタル制作とネットワークを構築。個人のデータを保護したうえで、個人の政治参加や公共サービスの向上のために積極的に活用する

の中にある、「公社を作る」です。

定収入の人も安定した住居の確保は必要です。

昨今の不況やコロナ禍ですむ場所を失った人の激増などもあり、住宅公社が増えるのは、安心を産みますね

岸本さとこさんは、住宅公社の重要性を語っており、さらに、日本家屋において今、一番重要なことは「断熱」とのことでした。

猛暑や極寒などに耐えられる家屋が日本は少なく、断熱が甘いためにエアコンなどの燃料を大量に消費してしまうとか。

ウクライナとロシアの紛争により、エネルギー高騰で光熱費の負担がどんどん重くなっており、今後どのぐらい値上げがあるかもわかりません。

住居の確保と言えば、

小林美穂子さん著『コロナ禍の東京を駆ける』などにも良く書かれています。

市民の力でセーフティネットのほころびを修繕しよう!

を合言葉に設立された一般社団法人つくろい東京ファンドでは、路上生活者や背活困窮者の相談・支援を行っています。

「住まいは人権」日本における「ハウジングファースト」のモデルをつくることを目標に、まず住居をと訴えています。

住居の心配がなくなれば、一時的に困窮したとしても、すべて失くすことはなく、立ち直りやすいです。

自治体は、住民の知恵と工夫で、色々な可能性を秘めているんだなとワクワクしてきます。

講座内で公開されていたYouTube配信はこちら

ミュニシパリズム

なんとここでれいわのあの方が‥

公開講座で配布してもらった資料を眺めていたところ、岸本さとこさんが在籍していたTransnational Institute のサイトURLがありました。

おっとこれは‥?

再公営化という選択~世界の民営化の失敗から学ぶ」という記事があります。

なんと、この「再公営化という選択~世界の民営化の失敗から学ぶ」日本語版の発行が、

「山本太郎参議院議員の提案を受け、山本太郎事務所とトランスナショナル研究所とのコラボレーションで実現した。」

と書かれています。

山本太郎さんは、2022年7月現在、衆議院議員を辞職して、現在参議選の候補者ですので、記事の日付も2019年1月3日とあり、以前参議院議員だった時なのでしょう。

同じページ内に、再公営化と言う選択の[全文]もあります。

少しボリュームのある文献ですが、目を通しておきたいものです。

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7/3岸本さと子さんが推薦政党の参院選応援へ

さて、公開講座のあった日、またも岸本さんのTwitter広報アカウントが案内を出していました。

ご本人も、当日にコメントを出しています。

区長就任までは、推薦政党の参院選応援は辞退するとのことでしたが、就任準備が進んだことにより、3日には参院選候補者の応援にも出向いたようです。

参院選は、岸本さんの推薦政党にとって厳しい展開となっています。

正直、現在の新自由主義を掲げる党がこれ以上増えてしまうと、その後の数年で、政策のためにどのぐらい弱い立場の方が亡くなるかとまで思います。

今も不況が深刻で、治安が悪くなり、裁判で納得のいかない結果があったり、司法もおかしくなっています。

それを少しでも食い止めたいと思っても、政治無関心がなかなか改善されません。

選挙に興味を持てない人や、あまり大切に考えてない人が多すぎるのです。

杉並区長選の投票率も、37%ほどでした。

しかし、前回の区長選より投票率を5%上げて当選に行きついたのは、杉並区民の努力と底力がもたらした結果です。

岸本さんの選対本部長である内田聖子さん @uchidashoko が、選挙戦についての興味深いお話がYouTubeの動画でアップされていました。

この動画が、とても勇気が出てきます。

杉並区はさらに、前回の衆院選で大物議員が落選したこともあります。

わが日野市でも、市長選は惜しかったですが、都議選では2議席を争う選挙で、与党候補の強い地域で共産党の清水としこさんが当選しました。

投票率が少なくとも、成功例があるということだけで勇気が出てきます。

あきらめないで運動しつづけることは大事ですね。

参院選もこれからです。

ミュニパシリズムを基にした区政、これからどうなっていくのかも楽しみです。

《関連記事》
岸本さと子さん新・杉並区長に!激戦の末、現職区長が落選!

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