最近宅建と飲食店経営に興味のあるオオサワです。
2022年12月14日、鎌倉カフェテラス樹ガーデン閉店のニュースが東京新聞に掲載されていました。
さよなら 天空のカフェ 鎌倉の「樹ガーデン」27日で閉店 都市計画法に抵触 話し合いも物別れ
鎌倉と言えば、大仏やあじさい寺ぐらいしか知らない私でしたが、
「こんなに素敵な場所があったとは!」と
記事の画像を見て驚きました。
存在を知ったのが閉店のニュースというのも悲しいものです。
市街化調整区域での営業が都市計画法に抵触するという理由だとのこと。
30年以上経営を続けていて、今さら?という気もしますが、どういったことなのでしょう。
鎌倉で30年の歴史ある天空カフェが閉店する!市街化調整区域ってなに?
今回とりあげられた「天空カフェ」と呼ばれる樹ガーデンですが
年間6万人の人が訪れる、けっこう有名な場所だったようです。
観光地としても、貢献していて、
樹ガーデンのホームページトップの『閉店のお知らせ』によれば
との主張を続けていたそうです。
ガーデンの周辺の木々は美しく整備され、イキイキとしています。
営業を続けるなりの努力は一見しただけでも伺われます。
都市計画法に抵触した「市街化調整区域」とは、どのようなものなのでしょう?
市街化調整区域とは
都市計画を行なう場合、市街化区域と市街化調整区域とで分けて開発を行います。
「市街化調整区域」とは、自然を守ろうとする区域であります。
市街化調整区域でも、開発許可を受けた開発区域と、開発区域以外とに分かれます。
たとえ開発許可が不要な場合でも、建築物を建てる時には都道府県知事の許可がいるものとなっています。
市街化調整区域で飲食店経営は絶対ダメなの?今回の問題は何がダメだったの?
樹ガーデンは、地域の人にも愛されていた場所のようでしたし、
観光客のお休み処、ハイキングコースの休憩ポイントなどでも貢献していたようです。
居住地を立てる許可はされていたのですが、飲食店経営の許可は受けておらず、
そのために都市計画法に抵触したとのことでした。
記事の最後にある鎌倉市の松尾市長のコメントでも
と、あるように、市側でも、閉店は惜しいと思っているように見て取れます。
地域貢献に長く続いていた経営で、今さら法律上のことで閉店は大変厳しいなとも思いますね。
市街化調整区域で飲食店経営は絶対ダメなの?
ところで、市街化調整区域で飲食店経営をしているケースはあるのでしょうか。
●東京都日野市の場合
わが市、日野市においても、東京都下で自然の残る地域が多く、もちろん市街化調整区域もございます。
野放しで荒れ放題の多摩テック跡地などを見ると、樹ガーデンの整備された美しい場所が羨ましくもあります。
多摩テック跡地はさておき、その近隣には多摩動物公園があり、こちらも市街化調整区域となっています。
(図の中のトゲトゲで囲まれている場所が市街化調整区域です)
もともと遊行施設を作る計画で作られた動物園ですので、
敷地内での飲食販売やレストランなどもございます。
●東京都八王子市の場合
そういえば、八王子市はミシュランを受けた高尾山もあり、高尾山は自然がたくさん残っています。
冬そば祭りなど、蕎麦屋も沢山あり飲食店も参道沿いに点々と存在しています。
あの場所は市街化調整区域ではないのだろうか?
八王子市のサイトで調べてみたところ‥
高尾山金剛寺は『金比羅特別緑地保全地区』という名称はついておりましたが、
市街化調整区域とはなっておりません。
丸囲いで「調」と書かれているところが市街化調整区域なのでしょう。
さすが八王子市。抜け目ないです。
バリバリ観光地として機能させてミシュランにも選ばれるはずです。
樹ガーデンは、ホームページでのお知らせにもあったように、
建築確認取得時に住居利用に加え、併用営業の許可を得ていなかったという
建設初期の登録のことだけがすべてで
今回都市計画法に抵触したとして閉店の道を選んだのですね。
判明したからには、前例を許してしまうことで、
今後次々後続が出る恐れもあるかもしれませんし、難しいところです。
自分の感想としては、
横浜市の上瀬谷で名物の桜並木を200本以上も伐採して
自然の土地をほじくり返して花博作るよりも
地域の森林環境の保全育成に貢献しながら30年営業を続けていた
樹ガーデンを残してほしいなあ~!
と思う次第です。
行った事のない樹ガーデン、12月27日までだそうです。
年末までだと自分はあきらめるしかないなあ‥
一度行ってみたかったです。