同じ町で気軽に行き来していた母が引っ越し、離れて暮らすようになりました。
しばらくは元気で穏やかに暮らしていたのですが、徐々に
「なんだか様子がおかしい」と姉から聞くようになりました。
一緒に住んでいる家族が「認知症ではないか」と思っても、
離れてたまに会う家族にはあまりよくわからない場合が多いそうで
うちの場合もそうでした。
自分の記憶では、母は東日本大震災のあとぐらいまでは、普通に話もしていたし
それほど目立つこともないと思っていたのですが、
母と一緒に住む姉は、震災の前からおかしくなってきていたと言います。
母方の叔母ら(母の姉妹)も、最初は姉の言う事を、漫画の私のように
「そりゃあ年なんだし変なことも出てくるだろう」くらいに思っていたようですが
皆で一緒に旅行に行ったときに、母の行動を見て初めて
「やっぱり違う」と思ったのだとか。
自分の場合は、母が「ATMのやり方を忘れる」と言ったあたりで、
姉から聞いていたことがなんとなく気になってきた感じでしたが、決定的に
「これは本当に来ている」と感じたのはその後のことでした。
そして思い返せば、漫画の中で食べている煮物も
母の作った手料理を食べた最後だったかもしれません。