母が子供の頃の話です。
『本当にあった愉快な話』オフレコアワー連載の第1話めがこれでした。
『本当にあった愉快な話』という雑誌は、タイトルの通り、噓のような本当の話を投稿で集めて、漫画家さんが漫画にする雑誌でした。
その中でも、私は投稿ネタが振られるわけではなかったので、連載の話がきたとき、身の回りのあまり人に堂々とは話せないタイプの話題を提供することにしました。
そうなるとやはり、自分の家族や親戚などの、昔の話や、比較的バラしても訴えられないような(笑)話を描くしかないなあと思い、始めに描いたのが母と叔母の話でした。
「ねいちゃん」と呼ばれている、三つ編みの少女が母の小さい頃となっています。
昔は子沢山の家庭が多く、小さい子の面倒は上の子が見るのが当たり前だったようです。
母の生まれた年などを考えると、この頃はまだ終戦前ではないかと思うのですが、
田舎の農村で、大人の目が届かないところで、子供が川に遊びに行くって、猛烈に危険なシチュエーションですね。
いくら子供が沢山生まれた時代でも、この調子では、戦争なくても全員が無事に成人するなんて奇跡な感じがします。
それにしても、一番下の叔母が助かってよかったです。
これを描く時に、普段は時代背景などあまり考えずに描いていた私が初めて、母に
「おかんの子供の頃ってキモノ着てたの?」と聞きました。
母は、
「へっ?アッハッハッ!そんなわけないだろ!アッハッハッ!いや~この子は!まったくっ!」
と、しばらく笑っていました。
今、当時の母の年齢に近くなって、もし自分に子供が居て、同じ事を言われたら、やっぱり
「そんなわけないだろ!」
とか言いそうですが、今の子供さん、自分の親の子供時代の写真見ることってあるのでしょうか。